ザ・サークル

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『美女と野獣』などのエマ・ワトソンがトム・ハンクスと共演した、巨大なソーシャル・ネットワーキング・サービスがもたらす脅威を描くサスペンス。SNS企業に就職し、自らの24時間を公開することで世界中から注目されるヒロインを通して、想像もしなかった事態を映し出す。監督を『人生はローリングストーン』などのジェームズ・ポンソルトが務める。ジョン・ボイエガ、カレン・ギラン、エラー・コルトレーン、ビル・パクストンらが共演。

あらすじ:世界一のシェアを誇るSNS企業「サークル」に勤めることになったメイ(エマ・ワトソン)。サークルの経営者ベイリー(トム・ハンクス)は、オープンでシェアし合う社会を理想としていた。ある日、新サービスが発表され、メイは自らの24時間をネットワークで全世界に公開するモデルケースに選ばれる。すぐさまメイは1,000万以上のフォロワーに注目されるようになるが……。

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<感想>SNSの進化は世界の透明化をもたらした。人々は企業や政治に完全な透明化を求めるようになった。すべてがオープンならば、嘘や不正は行われないはず。すべてを見られる社会こそユートピアなのだから。

デーヴ・エガーズのベストセラー小説をもとに、現代社会が直面する重要問題に切り込んだサスペンスもの。世界有数のSNS企業が目指す全人類の情報の透明化。これが実現すれば、テロも犯罪も世の中から消えると言うのだ。一見理想的に見える計画なのだが、そこには恐るべき落とし穴が待っていたのです。

出演は「美女と野獣」のエマ・ワトソンが、主人公のメイを演じていて、元気溌剌といった今時のキャリアウーマンのように、仕事に励んでいるのですが、自らの24時間をSNSに公開した彼女が、その果てに見たものとは――?

この映画の中で、「政治家がすべてをオープンにすることでクリーンになり、世の中がよくなる!」とか「いいね」を欲しさにSNSに自分の日常をアップし、

自らプライバシーを世界中にさらしている我々に対して、あなたは「だいじょぶですかですか?」と、警鐘を鳴らす映画でもあります。

それは監視カメラが増殖する社会を論じた未来そのものであり、視線が偏在化し、秘密がなくなった時、それでも我々は人間らしさを維持できるのかを問うものだろう。

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興味深いのは、完璧な環境を備えた企業名がサークルであり、映画のタイトルにもなっていることであります。言う間でもなく、円形を意味すると同時に、日本語でも使われるように、グループや団体も指し、社員たちはサークラーと呼ばれている。

この会社では至る所に円のイメージが散りばめられている。例えば丸い面接部屋。リング状や球状の照明、クッションボールの椅子、大きな丸いノブ、天球儀、円心円状のアート作品、弧を描く地下のデータ貯蔵庫など。

そもそもサークル社の建築形態は大きな円環状になっており、ノーマン・フォスターが設計した未来的なデザインによるリング状のアップル新社屋を彷彿とさせるように見えた。

またカメラのシーチェンジは小さなボール型であります。円形が完全な社会の器として構想されるのは、ルネサンスの理想都市のようなユートピアの定番でもあります。円は完全なる形態とみなされるからであります。

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そして、もう一つ重要なモチーフがあります。冒頭やラストを含めて、何度かメイが一人になって、金門橋の近くでカヤックに操るシーン。ここでは無限の海につながり、自由自在に動く。閉ざされた円形とは違い、不定形に波紋が広がる世界。海もまたネットワークの比喩に使われるが、ベイリーがシーチェンジを説明する際に、サーフィンで楽しむ海の状況を監視するというのが興味深かかった。

すなわち、この映画をネットワークの可能性として円と、不定形の間のせめぎ合いとして見ることが出来るのではないか。

2017年12月劇場鑑賞作品・・・


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by yukikokoronn | 2017-12-12 21:11 | 2017年劇場公開作品 | Trackback

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